XJAPAN hideの曲はアニソンになっていた?タイアップしていた曲とは?ROCKET DIVE?

XJAPAN hide 名言 hide ソロ
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XJAPAN hideの曲はアニソンになっていた?タイアップしていた曲とは?ROCKET DIVE?

XJAPANのhideの曲で過去にアニメとタイアップした曲があります。

その曲とは、「ROCKET DIVE」(ロケット・ダイヴ)です。

テレビ東京系アニメ「AWOL -Absent Without Leave-」オープニングテーマとして起用されました。

「ROCKET DIVE」は、XJAPAN解散後の1998年にhide with Spread Beaverによってリリースされたシングルです。hideのソロ8枚目、hide with Spread Beaver名義では1枚目となるシングルです。
hideが生前のうちにリリースされた最後の楽曲でもあります。

X JAPAN解散後初のソロシングルで、当時解散のショックで落ち込むファンへhideが届けた前向きな歌詞の曲です。「一刻も早くファンへ届けたかった」とX JAPANの最終公演「THE LAST LIVE」から1ヶ月足らずで発売されました。

「何年待ってみても何も降って来きしないんだろう?」
「待ってるだけの昨日にアディオース」
など、消極的な姿勢を否定して、自分から動き出そうといった前向きなメッセージが強い歌詞になっています。
ファンを励ますメッセージであると共にhideが自分自身を勇気づける歌詞でもありました。

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ROCKET DIVE 布袋寅泰カバーバージョンは歌詞が違う?『hide TRIBUTE SPIRITS』収録曲

1998年5月2日に急逝したX JAPANのギタリストであるhideの追悼の意を込め、一周忌にあたる1999年5月1日にPONY CANYONよりリリースされました。
『hide TRIBUTE SPIRITS』でBOØWYのギターリストだった布袋寅泰さんが「ROCKET DIVE」をカバーしています。

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この布袋寅泰さんがカバーしている「ROCKET DIVE」では一部歌詞が追加されており、hideへのメッセージと思しき歌詞が見られます。

当初BUCK-TICKがこの楽曲を手掛ける予定だったみたいですが、同郷の先輩である布袋寅泰さんに譲ったという経緯もあったようです。

hideはBOØWY時代から布袋寅泰さんのファンだったり、hide with Spread BeaverのCHIROLYNは布袋のツアーにも参加したりと、なにかと接点がありました。

昔、YOSHIKIと布袋寅泰さんが喧嘩したエピソードは有名ですが、そのときも後で、HIDEが謝りに行ったみたいです。

追加されている歌詞ですが、オリジナルの歌詞である

「新しい星が瞬く宇宙へ SAIL AWAY」

の後に

HELLO,hide!
Can you hear me?
It’s me!

そして、最後

新しい星が瞬く世界へ
SAIL AWAY

の後に

さらば赤い髪のエイリアン
君の作ったロケットに 愛を込めて
アディオース
アディオース アミーゴ….

と歌詞が追加されています。

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HIDE トレジャーブック『hide Perfect Treasures』発売!

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hide生誕50周年記念としてHIDEのトレジャーブック『hide Perfect Treasures』が販売されました。

トレジャーブックとはオードリー・ヘップバーンやザ・ビートルズ、ミッキーマウス、スター・ウォーズ、 ジミ・ヘンドリックス、エルヴィス・プレスリーなど、世界で人気を誇る著名人や キャラクターを取り上げ、秘蔵写真やキャラクターの貴重な写真やレプリカと共に、 人生の軌跡やエピソードを収録した超豪華永久保存版書籍です!

日本のロックアーティストとしては初の快挙となります!

この『hide Perfect Treasures』は等身大のhideを手にとって感じることができる、hide史上では初となる体感型・ドキュメンタリーブックです。

X JAPANのギタリストとして、またソロアーティストとして、1998年に永眠してから17年経った今もなお、世代と国境を越えて多大なる影響を与え続けるアーティスト「hide」の魅力が詰まった1冊となっています。

2年の歳月をかけて制作された本書には、hide自らが発信してきた言葉をもとに、生誕から現在に至るまでのエピソードを約14万にも及ぶ文字で綴られた壮大なヒストリーに加え、hideの様々な一面を垣間みることができる貴重な写真約100点、そして初公開含むhide直筆のイラストや歌詞、幼少期の想い出のアイテムや掲載された新聞 などを、最先端技術で精密に再現した「完全復刻版レプリカ資料」が約50点収蔵。

貴重な資料を、実際に手にとって間近でhideの体温を感じることができるほか、額縁などにいれてインテリアとして楽しむこともできます。
「読んで」、「観て」、「触れて」、hideの軌跡を共有し追体験できる永久保存版超豪華書籍です。

詳細は、『hide Perfect Treasures』ウェブサイトでチェック。

【発売情報】
書名:hide Perfect Treasures
発売元:CSI株式会社
発売日:2016年1月29日
各Web通信販売サイト、郵便局、全国書店、ネット書店 などで発売
価 格:15,800円(税込)
体 裁:
・A4縦版(タテ:約31cm×ヨコ:約22cm×厚さ:約4.5cm/約2.5㎏)
・全192ページ(掲載写真約100点/収蔵レプリカ約50点)
・豪華上製本/化粧ケース入り/シュリンクラップにて包装

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小室哲哉 × I.N.A. hideを語る

ローリングストーン日本版インタビューより
特集:12人が語る普遍のクリエイティビティ Chapter 10 小室哲哉 × I.N.A.「hideがいてくれたからこそテクノロジーが追いつけた」
かつてhideが自身の音楽を称した「PSYBORG ROCK(サイボーグロック) 」という造語は、「人間のグルーヴを機械で切り刻み完全制御する」という定義の基にある。それは当時行われていた音作りの方法論のひとつであったというが、後にその言葉は独り歩きを始め、今や邦楽シーンにおける最新テクノロジーを用いたロックの代名詞となっている。

ボーカロイドの技術を基に、hideの右腕的存在であるI.N.A.のプロデュースワークの融合により完成した奇跡の新曲「子 ギャル」、3DCGライブホログラフィック公演などの新しい試みを通じて人々に強く息づいている。
もしhideが現代にいたら、この進化をどのように見て、楽しんだのだろうか。また、その先の未来をどう見据えたのだろう? hideと長年音楽制作をしてきた共同プロデューサーのI.N.A.と、テクノロジーを用いた現代音楽の立役者である小室哲哉が「PSYBORG ROCK 」と「テクノロジー」をキーワードに、想像を膨らませながら語り合った。

I.N.A.「PSYBORG ROCKが具体的にどんな音楽かというと、90年代のインダストリアル系の音をプロトゥールスを使って編集していくような、いわゆるデジロックの類ですね。当時、日本でそういう音楽を取り入れている人はあまりいなかったのと一般的に言われているデジロックとは違う、hideオリジナルのサウンドだということを含めて PSYBORG ROCK と言っていました」

─生音を録って、PCに取り込んで編集するといったような?

I.N.A.「そうですね。“打ち込みと生音をどうやって共存させていくか”という課題に対してミュージシャンたちが何十年も試行錯誤してきているなかで、ロックというカテゴリで打ち込みと生音を融合させた、ひとつのサウンドを確立することが出来たかなと思っています。

─取っ掛かりは何だったんですか?

I.N.A.「ソロデビューが93年で、音自体は92年くらいから作り始めていたんですが、その当時デジタルパフォーマーという4トラックのハードディスクが出たばかりで、それを使ってプリプロしたり、曲を作ったりしてたんですよね。彼が新しいもの好きだったので、そういうコンピュータを使った作業を早い段階からしていて。そこから始まって、テクノロジーの進歩とともにやり方もどんどん複雑になってきて……といった感じです」

─なるほど。

小室「たぶんその頃だったと思うけど、LAでケミカル・ブラザーズのライヴを観に行ったんですよ。そうしたら、たまたまhideも来ていて。あまり面識はなかったので話しはしなかったけど、“あ、こういうのも見るんだ”って思いましたね。当時デジタルを使ったロックがシーンが盛り上が始めた時代だったんですけど、最新の感覚を持ったhideがいたからこそ、X JAPAN(以下X)の音楽も幅が広がったんじゃないかな」

I.N.A.「確かに、hideがデジタルサウンドに目をつけはじめてから当時作っていた『DAHLIA』あたりからXのサウンドにもそういった要素を取り入れていったように思います」

─当時の日本の音楽シーンで、そのジャンルのポテンシャルってどのくらいだったんですか?

I.N.A.「まずロック自体がチャートに上がっていなかったですし、さらにデジタルな音と融合したロックはなかなか馴染みがなかった時代ですね」

小室「ただ、Xがそっちのサウンドにシフトしてきたところで確実にチャートも上位に入ってきましたからね。コアなファン層の後押しもあったかもしれないですけど、日本でも受け入れられ始めた頃だったのかも」

─そもそもアーティストたちはテクノロジーで音楽に何を注入しようとしていたんですか?

小室「ミニマル(・ミュージック)と呼ばれていますが、限りなく正確なテンポとリズムを求めた人たちがいたんですよ、昔から。これはランニング・ハイに近いと思うんですけど、単調なフレーズを反復させると、だんだん音がループして気持ち良くなってくるんです。それをやるには人力では限界があるので、そこに気持ちよさを見出した人こそテクノロジーを求めたと思います。例えば、ヒップホップの人たちが早い段階からリズムマシンを使っていたのも正確なリズムの上に乗っかる気持ちよさを知っていたからだと思うし、モータウンのドラマーがハイハットを一生懸命チキチキ刻んでいたのも、そういったものを求めていたからじゃないかと思うんです」

I.N.A.「僕たちもそういった正確なビートの繰り返しっていうのを生音で作りたかったんですけど、その時代のテクノロジーではまだそこまでできなくて。その後プロトゥールスが出てきて、生音を切り刻んでループにしていくというのがマルチ上でできるようになりましたけど」

小室「その入り口となったのが、ローランドのTR-808や909ですね。この2台のドラムマシンが全世界で何億枚のヒット曲を作ったかわからないくらい。それを自宅に置いてポンとスタートして、上にギターとかピアノを乗せてデモテープ的なものが簡単に作れた。やっていることはアナログに近いけど、それがデジタル化の予兆のようなものだったんじゃないかと。81年頃の話です」

─TM NETWORKが始まる前から?

小室「ありましたね。TMのデモテープ作りでも808を使っていましたし。そうやって宅録したものがいちばんグルーヴ感が良かったりするのも、全世界のアーティストが経験してる感覚なんじゃないでしょうか。どうやってもスタジオで作ると家で作った時の感じを再現できないんです。人力のリズムとは違うんですよね、やっぱり」

I.N.A.「みんなその感覚は経験していますよね。デモマジックというか、スタジオに行ったら『あれ、おかしいな?』みたいなことがたくさんありました。hideも2枚目のアルバムでは宅録が半分以上でしたし。スタジオで録り直したけど、やっぱりデモのままいこうよ、みたいなこともありました」

─“PSYBORG ROCK”の定義で『人間のグルーヴを機械で制御する』というのがありますが、まさにそういうことですよね。

I.N.A.「そうですね。打ち込みと生のどっちに追従させるかというところで。90年代のインダストリアル・ロックっていうのはノーグルーヴが基本だったんですよ。すべての音符を16で弾いているなら最後まで16、8なら最後まで8って決めて、後から全部切り刻んで、グルーヴをなくしてシーケンスにはめ込んでいくという音作りだったので。僕らはそれを “PSYBORG ROCK” にするにあたり試行錯誤して、今までのように機械を人間に追従させていた発想を逆転して、人間がやっているものを機械のようにして、逆に打ち込みでグルーヴ感を出すといったようなトライをしていったんです」
─歌モノのロックで、当時そういった試みって他にあったんでしょうか?

I.N.A.「日本でやっている人はあまりいなかったと思います。技術的にというか、時間を掛ける余裕がなかったというか」

小室「それに、そこに歌を乗っけるとなぜかちょっと野暮ったくなっちゃうんですよね。昭和に逆戻りしたような、キャバレーでおじさんがリズムボックスをポンって叩いて弾いてる音楽のような感じって言うのかな。だから、ロックというジャンルにはなかなか取り入れられなかったんだと思います。その数少ない成功例で言うと、THE POLICEとかですかね」

─hideさんもその成功例ですね。

I.N.A.「実験の中で生まれたものですけどね。そこを目標にしてやっていたわけではないので」

小室「あと、彼の場合は声質が合ってたっていうのもあると思う。デジタルなロックサウンドと非常に相性が良かったと思いますよ」

I.N.A.「確かにそれはありますね」

小室「乗せる言葉もかなり選んでたんじゃないですか?」

I.N.A.「そうですね。音に乗せた時の言葉の響きは、歌詞を書くうえで大切にしていました。あと、基本的にカッチリしているものが好きだったんですよ。歌もプロトゥールスとかの編集機能が出る前から普通のヨンパチのテープでタイミングを動かしたりピッチを直したりしていて、思い描いたものを完璧に音にしたいという欲求がすごくあった人なんですよね」

─大変な作業だったんじゃないですか?

I.N.A.「大変でしたよ。1トラック作るのに8時間掛けたりとか。今だったらボタン押せば一瞬で出来ちゃうようなものなんですけど」

─先日ドキュメンタリー映画を拝見しましたが、hideさんとI.N.A.さんの絡みで面白かった場面があって。コンピュータに生音を取り込んで出すと予期せぬ音で出てしまう時があってhideさんがそれを楽しみつつも、I.N.A.さんに「何でこの音が出たか分析しておいて」って言うんです。

I.N.A.「たまに思ってもいない音が出たりすることがあって、それが面白いシーケンスになってたりすると『これをそのまま使おう』っていうパターンもよくあったんですけど、ただ解析だけはしておいてねって。解析が出来ていれば、それを後からいつでも使えるじゃないですか。そういう風に、感覚と理論を両方持ち合わせてる人でしたね。バーンってノイズが出て、そのノイズがカッコいいからOKじゃなくて、このノイズがなぜカッコいいのかをちゃんと考えてから次のレベルに行くというような作り方をしていました」

小室「面白いですね。ちょっと学者さんみたい」

─新しいことを取り入れるだけでなく、それがこの先どう変化していくか、先を見据えていたと。

I.N.A.「これは今やっているhideの3DCGライヴの宣伝文句にもなっているんですが、93年頃にレコード会社の人の『hideくんいつまで化粧してやっていくの?』っていう質問に対して『完璧なヴィジュアルアーティストつくって、俺はいつの間にかフェードアウトして、でも、hide って名前でやっていくの。いつのまにかすり替わってんの。 もちろん音楽は俺がつくるの』って発言していたんです。初音ミクが出てきた時にちょうどその話を思い出して、そういえばhideはこんなことを予見していたのかなって頭の中で繋がっていって。で、さらに2015年にはその時に言っていたことが実現しているわけじゃないですか。なんか、不思議だなぁと」

─22年前の発言とは思えないですね。

I.N.A.「その当時、Photoshopで写真のエディティングをする技術が出始めていたので、その辺りから派生したアイデアだったと思うんですけど、まだCGを個人レベルでどうこうできるような時代ではなかったですからね」

─以前、小室さんも「今はアーティスト本人がいないとライヴが成立しないけど、例えば『オペラ座の怪人』が世界各国で同時上演されているように、いつか音楽エンターテインメントも変わっていくような気がする」と言っていたじゃないですか。それは93年にhideさんがボンヤリ描いていたものとリンクするんじゃないかと思うんです。

小室「拡散の話ですね。今の音楽配信サービスにも繋がるんですが、権利で縛れば縛るほど今の世代には好まれないというか。先日聞いた話ですけど、サンリオのキティちゃんは権利をみんなにライセンシーすることで、国内外のシェアはディズニー関連を抜いているそうなんです。ミッキーは絶対に一人しかいないという縛りがあるのに対して、何人いてもいいからみんなに知ってもらうという真逆の発想ですよね。現代のキーワードである“拡散”という意味では、良い成功例だと思います。それと同じで、音楽も権利を解放した方がエンタテインメントとしての広がり方は大きいんです。希少価値やブランド力という段階に行き着くのはまだその先で、その力を強めるために良い形で拡散をしなければならない。hideの3DCGライヴも全世界で同時に上演することが可能ですし、まさに“良い拡散”の一例ですよね」

I.N.A.「実際、完全に権利フリーではないけど、hideを使って面白いことをたくさんやれる環境は事務所側でも整ってきていて。『hideという素材を使って面白いことをやってみたい』という人をなるべく受け入れるようにしているんです。先日のドキュメンタリー映画もそうだし、3DCGライヴもそうで、本人と直接関わりのなかった人たちがhideを媒介して新しいエンタテインメントを作っていく。そうして彼の音楽は今も広がりを見せているんじゃないでしょうか」

小室「まさにその通りですね。ガッチリ権利で縛らないほうが、時代に沿った広がり方をしていく」

─『子 ギャル』という作品もそうですよね。

I.N.A.「そうですね。98年にサードアルバム『Ja,Zoo』に収録されるはずの曲で、歌詞も曲も出来ていたのですが、♪ラララ~でメロディをうたった仮歌のデモ音源しか存在しなかったので、当時は再現不可能ということでお蔵入りになっていた曲で、2年前くらいにレコード会社のスタッフの”もしかしたら、ボーカロイドなどを使えば再現できるんじゃないか”というアイディアが元でした。それに、こういう形で発表まで漕ぎ着けたのもテクノロジーの進化の賜物だと思います。ただ、なかなかボーカロイドの枠を超えることができなくて開発していただいたいわゆるhideロイドを元に、結局最後は僕の人力の作業でhideの歌から一言一言拾って貼り替えてhideの新曲にしていくという作業をしたんですけど」

─どのくらい掛かりました?

I.N.A.「4カ月くらいやってました。一節に一週間くらい掛かった」

小室「何万ピースとかですよね」

I.N.A.「そうですね。当時からヴォーカルのディレクションも僕がやっていたし、この歌をどうやって歌えばいいのかっていうのをわかっていたからこそできたと思います。誰か他の技術者が同じ作業をしても、できなかったと思う」

─やっぱり最後は人間の力なんですね。

I.N.A.「ですね(笑)。まぁ、きっかけがテクノロジーなのは確かなので。しかも、最新技術で作られた3DCGのhideが今この曲をライヴで歌っていますから。誰も見たことがない『子 ギャル』という曲をライヴで演奏している姿が実際に見れるって、すごいことですよ」

小室「それが実現に至ったのは、もちろんI.N.A.さんの存在も大きいけど、彼自身がそういうものに興味を抱いていたというところもあるでしょうね。現代のテクノロジーに繋がる、その進化の入り口に入り込んでくれていたからこそ、テクノロジーが追いついてくれた。その両方がないといくら人力でもできなかったと思う」

─完全に21世紀の扉を開いていたと。今だったら、hideさんはどんなことをやってると思います?

I.N.A.「よく聞かれますけど、僕がいちばん知りたいです(笑)」

小室「もし今も活躍されていたら、僕と同じようにいろんなメディアで“今後どうなっていくんでしょうか?”っていう質問を受けてる存在になっていたでしょうね(笑)」

I.N.A.「それは確かに(笑)」

小室「あと、彼のように音楽とファッションを合致させることができるアーティストは未だに非常に少ないんです。疎かったり、比重が音楽のほうにいっていたりして。彼はそのバランスがすごく優れていた人だと思うので、今だったらハイブランドのぶっ飛んだデザイナーたちと気が合って、衣装から何から全部ガッツリ組めるような数少ないミュージシャンになっていたんじゃないかな」

I.N.A. 「このアー写(『子ギャル』の限定盤ジャケット)にしても、20年前のものとは思えないですよね。時代を感じさせないというか」

─90年代から未来を完全に予見していたのかもしれないと思ってしまいますね。ヴィジュアルにしかり、音楽にしかり、テクノロジーにしかり。

小室「そんな気もしますけど、テクノロジーの進化という面では今時間がどんどん短縮されていっているところなので、hideが発言してから実現するまでの期間は考えていたよりも案外早かったんじゃないかな。みなさんのなかにまだしっかりと彼の記憶がある最中に実現するって、結構すごいことだと思う。これから先もどんどんそのスピードは速くなっていくので、彼が遺した言葉で証明されることがさらに増えていくんじゃないでしょうか。僕としては、彼が遺したアイデアで他にどんなものがあるのか知りたいところですけど」

I.N.A.「何かあったかな……何かが始まる時にふと思い出すんですよね。不思議なことに、彼が『やろう』って言い出した時はだいぶ前に過ぎ去っていてすっかり忘れているんですけど、何か新しいことが始まる時になって『そういえば、hideがこんなことやりたいって言ってたよねってはっきりと繋がるんです。だから、これからまた新しい何かをhideを使ってやりたいっていう人がいたら、思い出すかもしれない」

小室「また新しいことをやるには、彼の意思や感性を伝承するI.N.A.さんのような存在が絶対に必要不可欠だと思いますよ。でないと、アイデアを具現化することができないですから」

I.N.A.「がんばります(笑)」

ローリングストーン日本版
RollingStone 2016年12月号『12人が語るhide』より

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